「業務スーパー」を運営する「神戸物産」に強制捜査が行われるそうです
「業務スーパー」を運壊する神戸物産に神戸地検の強制捜査が入るという事で、よく利用するユーザーとして気になり、調べてみました。
目次
神戸物産とは
wikipediaによりますと
兵庫県加古郡稲美町に本社を置く、主に業務用食品の販売を手がけるFC（フランチャイズチェーン）方式のチェーンストア。
なお、「業務スーパー」という表記は同社により商標登録されている。
会社ホームページから会社概要
商号 株式会社神戸物産
本社所在地 兵庫県加古郡稲美町中一色883番地
代表取締役社長 沼田 博和
資本金 6,400万円
会社設立 1985年11月6日
事業概要
1．業務スーパー・フランチャイズ本部及びエリアライセンス本部として、経営ノウハウを統合し、組織化したシステムを本部と加盟店の関係上で指導援助
2．食品スーパー及びキャッシュアンドキャリーの店舗運営
3．核家族化・高齢化時代の需要をとらえキッチンパワーアップと作業の標準化を確立した、惣菜+物販のM・S（ミールソリューション）及び H・M・R（ホームミールリプレイスメント）型へのテイクアウト店舗とお客様の食卓代行業として複合メニューのイートイン店舗拡充
4．海外での原材料の調達から自社及び協力工場での生産・管理・及び貿易・配荷・販売までのサプライチェーン・マネジメントの統合的仕組みによる商品の供給援助
5．海外投資業務
国内グループ会社
有限会社神戸物産フーズ
株式会社オースターエッグ
株式会社ターメルトフーズ
株式会社ベストリンケージ
株式会社神戸物産エコグリーン北海道
株式会社ソイキューブ
秦食品株式会社
株式会社マスゼン
株式会社肉の太公
宮城製粉株式会社
株式会社麦パン工房
株式会社エコグリーン埼玉
株式会社川口工業
株式会社神戸機械製作所
株式会社グリーンポートリー
珈琲まめ工房株式会社
ほくと食品株式会社
豊田乳業株式会社
株式会社エコグリーン函館
株式会社神戸匠屋
株式会社富士麺業
株式会社九重町おこしエネルギー
関原酒造株式会社
株式会社エコグリーン白糠
菊川株式会社
株式会社朝びき若鶏
株式会社クックイノベンチャー
株式会社ジー・コミュニケーション
ギンガシステム株式会社
株式会社ジー・テイスト
株式会社ノーウェア
株式会社クック・オペレーション
株式会社ジー・フード
株式会社ジー・アカデミー
株式会社クックアセアン
株式会社可不可
海外グループ会社
【中国】
神戸物産(香港)有限公司
大連福来休食品有限公司
神戸物産(安丘)食品有限公司
【エジプト】
Kobebussan Egypt Limited Partnership
【アメリカ】
Kobebussan USA, Inc.
J.J. Dining, Inc.
J.J. Dining Edge, Inc.
KB Global Partners, Inc.
【ミャンマー】
Kobebussan Myanmar Co.,Ltd.
謎な部分が多い会社概要なので、そこは後回しにします。
業務スーパー
「業務スーパー」は名前からすると、飲食店が食材を購入するためのお店だと思うのではないでしょうか。
多くの飲食店の方が利用されていると思います（実際私の友人は居酒屋を経営していますが、お店に「業務スーパー」の袋がありました）。
お店に行ってみると、飲食店関連の人と思われる方が買い物をされていますが、多くが個人の買い物で、普通のスーパーとあまり変わりません。店舗によって大きく異なるとは思いますが、
特徴としては
- プライベートブランド商品が多い
- 安い
- 内容量が多いものが多い
- 生鮮食品の取り扱いが多くない（ほとんどない店も多くあり）
- 一つの商品に対して複数のブランドがあまり無い
僕が良くいく店は、お酒の販売スペースが大きいですが、それはたぶん運営している会社（フランチャイズ加盟社）がお酒の販売をしている会社、または酒販店をフランチャイズに加入して変えた為と思います。
特徴的な商品
僕が「業務スーパー」で良く買うのは、
- 冷凍もも肉
- ゴマだれ
- レトルトカレー
- 冷凍の肉団子（つみれ）
- 冷凍野菜
- 納豆
冷凍野菜は他ではあまり見ないような、みじん切りに加工しているものなどがあり、食材によっては生鮮で買うと一度に使いきれない食品などではとても便利です。
肉、魚、野菜を冷凍にして扱っているので、業務用として扱うには安くて扱いやすいと言えます。
一方で冷凍食品の特に揚げ物では、通常のスーパーでは電子レンジでの調理するものが主流となっていると思いますが、「業務スーパー」オリジナルの揚げ物の冷凍食品は油で揚げなくてはならないものが多数です。
野菜などは規格外（大きくなりすぎた、傷物）なども取り扱っている為、安く購入できます。
業務スーパーのビジネスモデル
大量に原材料を国内外から仕入れて、自社工場で加工して、安価に販売するビジネスです。
小売業や卸業に分類される流通企業でありながら、多くの自社工場を持ち、生産から販売まで一括して行い、プライベートブランド商品をメインにして販売している為、「安さ」が売りになっていても、他社と価格競争にあまり巻き込まれない強さがあると思います。
インサイダー取引とは
上場会社または親会社・子会社の役職員や大株主などの会社関係者、および情報受領者（会社関係者から重要事実の伝達を受けた者）が、その会社の株価に重要な影響を与える「重要事実」を知って、その重要事実が公表される前に、特定有価証券等の売買を行うことをいい、金融商品取引法で規制されています。
また、平成26年4月1日施行の金融商品取引法等改正において、投資法人の発行する投資証券等の取引がインサイダー取引規制の対象となりました。対象となる会社関係者の範囲には、上場投資法人（いわゆるJ-REITの発行者）、その資産運用会社及びその資産運用会社の親会社その他の特定関係法人の関係者等が含まれます。
インサイダー取引は、金融商品市場の信頼を損なう代表的な不公正取引です。インサイダー取引を禁止する理由には、主に「投資者保護」、「金融商品市場への信頼確保」が目的とされております。
出典 カブドットコム証券
課長島耕作で
島耕作が勤務する「初芝電機」の創業者で、カリスマ経営者「吉原初太郎」が自宅で亡くなっている事を、島耕作の上司が発見し、「吉原初太郎死去」のニュースが流れる前に、初芝電機の知人名義の株券を売って、ニュース後に株価が下がりきったところで買い戻すようなエピソードがあります。
インサイダー（上場会社または親会社・子会社の役職員や大株主などの会社関係者）が直接売買するだけでなく、そのインサイダーから情報の提供を受けて、売買するのもインサイダー取引と言われます。
神戸物産のインサイダー取引とは
神戸物産は平成２６年１２月と昨年７月、それぞれ上限６０万株３０億円と、上限１００万株１００億円の自社株買いを発表。同社関係者は発表前にこの情報を取引先関係者らに伝え、事前に株を買い付けた取引先関係者が高値で売り抜けていた疑いが持たれている。
株価はいずれも発表の約１カ月前から上昇し、平成２６年１２月の発表の１０日後には５６８０円に、昨年７月の発表翌日には１万３８７０円にそれぞれ急騰。発表日の最高値から１８６０円増と２５２０円増を記録した。こうした株価の変動に不審な点があるとして、証券取引等監視委員会が昨年１１月、神戸物産本社などを強制調査していた。
出典 産経新聞
自社株買いとは
上場企業の株式は、その上場している取引所にて売買されています。
買う人が多ければ、株の価格は上昇し、
売る人が多ければ、株の価格は下落します。
一般の商品の場合、商品が多いと価格は下がり、少なくなると価格は上がると言われています（需要と供給の関係）。
株式の場合も市場で取引されている数が減る事により、株価は一般的に上がります。
企業は株主に対して、株の価値を高める事が求められておりますので、自社で株式を買う事によって、市場の株式を減らすことにより株価を上げることが出来ます。
神戸物産の自社株購入経緯
2014年12月15日 自己株式取得、自己株式消去の決議 神戸物産IR情報 より
2015年7月21日 自己株式取得の決議 神戸物産IR情報 より
2016年2月9日 インサイダー取引の報道 神戸物産IR情報 より
自社株を購入し、その後分割もしている事から、株主への還元と、自社の積極的に行っているM&Aの資金を作るために行っているのでしょう。
2月のインサイダー取引が発覚した際に、証券取引等監視委員会の強制捜査を受けており、今回の強制調査は神戸地検の強制捜査。
証券取引等監視委員会から悪質性が高いと、検察へ告発があったのでしょう。今後は刑事事件として関係者が調査されることになりそうです。
神戸物産 不思議な会社だな～
今回、神戸物産の事を調べていくと、「東証一部上場企業なのに、資本金が6400万円しかない！」
東証一部に上場している企業で、最も資本金が少ない会社です。
それに対して、子会社（厳密には孫会社）にJASDAQに上場しているジーテーストがありました。
ジーテーストは「村さ来」「焼肉のさかい」「平禄寿司」などを運営している会社で、お店はかなり有名だと思います。
堀江さんが昔、ニッポン放送を買うとフジテレビがついてくると言っていましたが、神戸物産も子会社の方が高資本金の会社が多いような気もします。